
この本は販売しているような本ではなく、したがってアマゾンや本屋に頼んだところで手に入らない。出版元である山形県庄内地方の印刷会社に問い合わせても、もはや絶版として手元にないといわれる始末。
そもそもこの本の存在は村杉温泉の環翠楼に宿泊した折、同所の談話室にある書棚で見つけたもの。これは読みたいと思ったものの借りて帰るわけにも行かず、印刷元に問い合わせたものの前述のとおりだったので、それこそ大元であるあつみ温泉の萬国屋に連絡して借りたもの。
本書はあつみ温泉萬国屋の元社長である本間儀左衛門氏による講話集。本間儀左衛門は本来萬国屋を継ぐ者に踏襲される名でありますので本名とは違いますが、現状二代前の社長という立場でした。厳密に言えば地方というか田舎の旅館業たるもの家業の継承によるところが多いので、言わば何代目などと跡目がつくところですが、現社長が出自が違うために少しややこしくなっています。まあ無粋なことは置いといて…。
本書は氏が方々での公演にて紡いだ言の葉を集めたもの。そこには旅館業というサービス業を生業とし、人生のほとんどをその一線で奮闘した方だからこそ述べられる珠玉の言霊が記載されたものでした。
好きこそ物のではありませんが、一つの仕事を一生の生業とすることは難しいものです。氏は家業を継承するという立場におられたもので、一生をかけてサービス業を見てきた先達と思います。
根底にあるのは人として、日本人としてのおもてなしの姿勢。
これは永遠のものとして、絶えず教育啓蒙していかなければ、残念ながら継承できるものではなくなってしまっているようです。
耳が痛いことというのは、後から聞いておいてよかったと思うことが多いものです。
















































